手術が終わって2週間後の診察で、切り取ったがんやリンパの病理検査が出ました、と言われました。
「あぁ、良かったですね」
主治医W先生はそう言葉を始めました。
要約すると、私のがんはこんなタイプでした。
◆ステージ0(ゼロ)
◆非浸潤型
◆このがんで死ぬ事はほぼ無い
◆放射線治療は必要だが、抗がん剤は不要
「(あぁ、大した事無かったんだな)」
少し安心しました。がんは極初期で、広がっていく心配もあまりなく、放射線治療や定期検査を受ければそんなに怖くないもののようでした。
「今は、早期発見でがんも治るものなのね」
母は、そう言いました。私が乳腺科クリニックでがん宣告をされてから、母は「寿命が縮む」とずっと言っていました。私もストレスを感じていましたが、見守る親としては、より一層のストレスを感じていたのでしょう。自覚症状も無かったので、呑気に構えていた私とは違います。見守る事しか出来ないストレスというものがあるのです。
私は、がんのステージはⅠから存在すると思っていました。しかし、今は0(ゼロ)というステージもあるのか、と驚きました。
放射線治療は必要な事から、そこに存在していたのは間違いなく悪性の腫瘍だという事は明らかです。ただ、そこまで怖がる必要も無いものなのです。
医療の進歩というものは、本当にめざましいものがあります。かつては『死の病』として恐れられていたがんですが、今の技術を持ってすれば、そこまで恐ろしがる事も無くなったのです。
私は、声を大にして言いたい。
行政や職場が主催するがん検診には必ず行った方が良いと。若くても、年を取っていても、それは関係ありません。とにかく、自覚症状が無くても検診に行く事。早期発見すれば、がんは治るのです。
今年ほど、がん検診の重要さを痛感した年はありませんでした。気楽に行ったがん検診で、まさかの要精密検査になり、2カ月後には手術を受けていました。そのスピード感は凄まじかったです。
あれよあれよと色々な検査をされて、気が付いたら全身麻酔で手術されていて。
「人生って何が起こるか分からんな。しかも、私は意外と生きる方向に頑張れるものなんだな」
今まで能動的に死に近付いていた無雲ですが、いざ死が向こうからやってくると、闘いたくなるものです。人間とは、かくも難しい生き物なのです。
「せっかく救ってもらったこの命。今日1日を大切に」
そう、思いました。
次回は、いよいよ放射線治療の話が出てきて、放射線医の診察を受けた話です!
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