【連載エッセイ】無雲の乳がん闘病記【Vol.018『ある夜突然胸の傷から液体がダバダバ出てきた!』】

無雲の乳がん+ヘルニア闘病記
MarijanaによるPixabayからの画像

 退院後の初外来は、胸と脇に溜まった水を抜く事で終わりました。手術で患部を取り除いた部分と、センチネル生検をしてリンパを取った部分に水が溜まるのです。

 手術直後に見た左胸は、上の部分が陥没していましたが、退院後は張りがある。これ、張りが戻っているわけではないのです。水が溜まっているのです。

 脇も、ボコッとしていて物凄く腫れていました。痛いです。ぶっちゃけ痛いです。

 水を抜いてもらっても、すぐに水は溜まったようでした。抜いた時に感じたスーッとした爽快感は夕方には消えていて、また腫れて痛いのです。

 そして、事件はある夜のお風呂上りに突然起きました。

 浴室から出て身体を拭いて前かがみになった時、ポタポタと水が垂れるのです。

「あれ? 拭き残しがあったかな?」

 また体を拭きます。ふと鏡に目をやりました。すると、左胸部分が何故か物凄く濡れている。というか、よく見たらオレンジ色の液体がダバダバと溢れ出てきている!

「何か出てきたー!!!」

 軽くパニックです。母を呼んで、すぐにガーゼを貼って、速攻でA病院に電話しました。ガーゼはみるみる内にオレンジ色に染まっていきます。

 救急外来の看護師さんに電話がつながるまで、30分近くかかりました。その間にもガーゼも抑えていたタオルもどんどん汚れています。看護師さんに電話が繋がると、夜勤は泌尿器科の医師である事が告げられ、少し話し合うから、と言われて折り返しの電話を待ちました。

 折り返しが来ると、こんな事を言われました。

「救急外来に来て頂いても、ガーゼを取り換えるくらいしか出来ないみたいです。もし何なら、ガーゼの上に生理用品を貼り付けて水を吸収して下さい。漏れ出しているのは体液とみられますし、危険は無いと思います。もし不安なら、明日外来がやっている時間帯にお電話下さい」

 との事でした。

 ちょっとイラっとしました。

 この時、Twitterで事の顛末を呟いていたのですが、看護師をしている方から細かいアドバイスがあり、その通りにもしていました。とても心強かったです。ありがとう、Cさん!

 そして、左胸にガーゼと生理用品を貼り付けて、そのまま寝ました。

 翌日には、大量漏れ出しは収まっていて、結局外来には連絡しませんでした。その次の日が外来診察日だったので、耐えたのです。

 そうして外来に行くと、夜間に電話しても意味が無いと言われ、「水が漏れたんですね」と言われて処置を受けました。

 それから数回の外来は、水を抜く作業ばかりでした。1週間に1度通いましたが、1か月くらいは水を抜いていました。

 病院関係者にはよくある事なのかもしれませんが、患者にとったら初めての出来事です。もう少し親身になってくれても良かったんじゃないかと思います。まぁ、これが大学病院クウォリティーかなぁ……。

 過大な期待はしない。

 それがある種のメンタルを平穏に保つライフハックです。

 次回は、手術で取った患部の精密検査の結果が出て、ステージやがんの正体が分かったという話です。

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