【連載エッセイ】無雲の乳がん闘病記【Vol.011『術前検査で大わらわ』】

無雲の乳がん+ヘルニア闘病記
MarijanaによるPixabayからの画像

 術前検査は、歯科と麻酔科とPCRがあります。

 あ、歯科は、全身麻酔時に気管にチューブを通す際、歯が抜けたりすると危ないので事前にチェックするらしいです。あと清潔度合いとかも。菌が入るとまずいらしいので。

 これねぇ、歯科を巡ってとんでもない事になったんですよ。

 A病院の歯科に行ったら、「3ヵ月に1度ちゃんとメンテナンスしてくれるかかりつけ歯科を見付けて来て下さい」って強く言われたんです。お手紙も書くから、絶対に見付けてこいと。

 それで、無雲は家から近い初めて行く病院に予約をとりあえず取ったわけです。

 それで、行ってみましたら、そこはろくに歯科医が診察しないで歯科衛生士任せの歯科医院だった。歯茎下がりの所をてきとーにパテで埋められて、帰されました。

 そうしましたら、そこが数時間後には激痛になって、夜中も痛みで目が覚めて、翌日も痛み止めを飲んでももの凄く痛い。尋常じゃなく痛い。

 それで、この日は日曜日だったので、そこの歯科はやっていないので、父が通っていた駅前のビルにある年中無休の歯科医院を調べました。そうしましたら、『急患対応可』と素晴らしい文言がありましたので、電話して、必死に泣きついて当日予約を取りました。

 それでそちらに行ったら、今度はちゃんと歯科医が診てくれて、レントゲンも撮ってくれました。そうしましたら、「先日の処置の部分が神経に触れていて、神経が死んでいく痛みだったようですね。神経死んでいます。なので、2本神経を抜きます」と言われました。

 今まで虫歯ゼロで来ていて、親知らずの抜歯しかした事の無かった無雲、いきなりこんなピンチに立たされる。

 もう、痛くて仕方なかったので、とにかくもうお任せです。麻酔されて、抜髄されまして、もう泣きたくなりました。と、同時に「昨日のヤブ医者め……」と殺気立っておりました。

 A病院がかかりつけ歯科を急いで見付けよとか言わなきゃ、こんな事にならなかったのになぁ。なんだかなぁ。

 ちなみに、これを書いているのは入院直前のある日なんですが、歯科の治療はまだまだ続くそうです。はぁ。神経が死んだばかりに大変な事に……。

 他の術前検査、麻酔科はあっさり終わりました。問診に答えてビデオ見せられて麻酔科医と話して終わりです。

 PCRも、グリグリとされて鼻痛くなってすぐ終わりました。連絡が来ないので陰性だったのでしょう。

 とにかく、歯科よ……。

 今は神経も抜いたし、薬詰めてあるから痛くないけど、まじで腹立つわあの近所の歯科。

 そこには、丁重に電話でこう言いました。

「先日の処置が神経に触れて大変な事になって、日曜日に他の病院に掛かったので、そこで今後診てもらいますので予約取り消しておいてください」

 よく、無雲は母にこう言われます。

「怒りで喚く人より、感じ良く怒っている人の方が薄気味悪い」

 はい。無雲は薄気味悪いタイプです。犬に噛まれた時もそうでした。飼い主を責める事もなく、薄気味悪く怒っていました。

 何だか、怒りが沸点を越えるとむしろ冷静になるんですよ。それで、はたから見たら薄気味悪く怒っていることになる。

 まぁ、いいんじゃないでしょうか。それも無雲の個性です。

 次回は、入院直前の心境を吐露です。

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