【連載エッセイ】夫は仕事ができません!【Vol.020『おいたん、食肉加工業者の面接に挑む』】

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mohamed HassanによるPixabayからの画像

 おいたんが失職した翌日は、食肉加工業者のフルタイムパートの面接でした。

 気慣れないスーツにネクタイというパリッとした恰好で、おいたんは出かけて行きました。ポケットには、ロザリオを潜ませて。

 こうなると無雲はおいたんの健闘を祈る事しか出来ません。どうか上手く行きますように、と、そわそわと帰宅を待ちました。

 おいたんはこの日は前職場から「保険証を返して下さい」と言われていたし、翌日は釣りに行くので釣り餌を買いに立ち寄ったので、けっこう帰りまでに時間がかかりました。

 待つ事しか出来ない無雲はやっぱり落ち着きませんでした。

 昼過ぎ、帰宅したおいたんに感触を聞きました。

「好感触だったよ。2、3日後に結果を電話してくれるって」

 後は、待つのみ。

 どうか採用になりますように!!

 そう祈って、翌日は釣りに行きました。

 翌日は快晴。風がちょっと強めでしたが、春らしく花が咲き乱れる江戸川の土手でのんびり釣りです。

 この時期は例年そんなに釣れません。でも、それでもいい。のんびり川を眺めているだけでも癒される。

 釣りを始めて1時間くらいすると、おいたんのスマホに着信が。

 もしや────!!!

「あぁ、そうですか! ありがとうございます!! 単純作業? え!? 大丈夫です! 全然大丈夫です!! ありがとうございます!!」

 採用だ!!!!!

 無雲はおいたんに抱き着いて喜びました。そしたらおいたんの眼鏡に直撃して「いたたたた」ってなってました。すまん、おいたんよ。

 失職して二日目に次の仕事の採用が決まったのはおいたん史上最速です。今までの最速はデイサービスを辞めた1週間後に障害者施設に採用になった時でした。

 はぁ。ホッとした。

 おいたんの勤務開始は2週間後から、という事でした。まずは制服の採寸に来て下さい。との事。

 あぁ、良かったね、おいたん。ホッとしたね。

 今度は肉相手に頑張るんだよ。今度こそ、今度こそおいたんの居場所がそこでありますように。どうか、長く続けられますように。

 そう祈らずにはおれない無雲でした。

 次回は、おいたんの保険証騒動についてです。

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