【連載エッセイ】色々病気を抱えていますが、それでもポジティブ、時々弱音【Vol.30『失礼なジジイにキレなかった私偉い』】

色々病気を抱えていますが、それでもポジティブ、時々弱音
Gerd AltmannによるPixabayからの画像

 さて、再発した腰椎椎間板ヘルニアが治まって来ていたある日はシェーグレン症候群での口腔乾燥症の診察で、大学病院であるA病院に通院でした。

 唾液を出す薬とうがい薬を処方してもらっているので、3カ月に一度は通院する必要があります。唾液を出すお薬を飲まないと口の中パッサパッサですのでね。それは辛いので。

 診察はいつも通り穏やかです。タイトルの失礼なジジイは主治医の事ではありません。主治医は若くてイケメンで眼鏡、さらに関西弁属性という、萌え要素たんまりなナイスガイです。あまりにも眩しくて直視出来ないので顔は見ません。

 今回は口の中もチェックされたので、「歯磨きとフロスして来て良かった」と思いつつ診察終了。次回も3カ月後です。

 さて、そんな穏やかな気分で会計待ちをしていた私の背後から、ぶつぶつと喋る推定ジジイの声が聞こえます。

「あの人さぁ……あの体型でガンって事は無いよなwww って事は親知らず?」

 誰かの体型をディスって揶揄しています。周りを見てみてもデブは私しかいないので、十中八九私をディスっているのでしょう。

(ジジイ……聞こえてんだよ……)

 穏やかだった私の心が不穏になってきます。

 失礼なジジイのおしゃべりは止まりませんが、私は怒りで内容がもう聞こえて来ません。

 そもそもだ、病院で「あの人〇〇病じゃない?」みたいな会話するのって非常識じゃないですか? それにね、私は親知らずじゃないんだよ。国の指定難病で通ってるし、なんなら乳がんだって患ってるよ。

 いっそ、「聞こえてんだよジジイ」って言ってやろうかと思いました。でも、ここは病院で混んでいる待合室です。喧嘩は避けたい……私まで出禁になったら困ります。

 というわけで、耐えました。私はジジイのディスに耐えました。

 帰り際、56しそうな勢いで睨みつけました。ニヤニヤと私を見ていたジジイがひるんだのを確認しました。

「あー、キレなかった私偉いなぁ」

 って素直に思いまして。帰りにセブンによってエビドリアとブリトーとアメリカンドッグ買いましたよ。この豊満ボディーを維持するのにはお金掛かってるのよ!

 と、デブ特有の言い訳をしつつ、「エアロバイクで痩せないかな」と思うのでした。

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