【連載エッセイ】夫は仕事ができません!【Vol.026『おいたん、障害者手帳を申請する』】

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mohamed HassanによるPixabayからの画像

 前もって、M先生にはメールで事態を伝えておいた。そして、書類を書いて欲しい事を伝えておいたから話は速かった。

「で、今回は何したの?」

「作業が遅くて雑って言われました……」

「あぁ、それなら、まぁ良かったよ。また誰かぶん殴ったのかと思った」

 M先生は、障害者手帳を申請する診断書を書きながら私達と話をしていた。

「あぁ~、エピソードが酷すぎてむしろ書き易いわ」

 それ、誉め言葉……?

「先生、年金ってどうしよう」

「あ~、それはもっともがいてあがいて頑張ってから考えようか」

「分かった~」

 無雲はM先生にはタメ語で話す。それだけ心を解放しているという事なのだ。

 M先生は、スラスラと『書き易かった』書類を仕上げて、「じゃ、市役所行ってらっしゃい」と言った。

 市役所は、病院とは正反対の位置にあるけっこう距離がある場所だ。そこまでおいたんと電チャリで爆走した。まさか、週に2回もこの距離を走る事になるとは。

 無雲は、自分も障害者手帳を持っているので、手続きの為のアイテムは全部用意してあった。だから、手続きはスムーズに出来た。

 受理書を貰って、それをハローワークに持って行けば『手帳申請中』の障害者として、就職活動が出来るとの事だった。

 この日は金曜日。そしてもう夕方近い。おいたんも疲れたろう。ハローワークには月曜日に行ってもらうことにした。

「おいた~ん、無雲マッ〇シェイクが飲みたいから近くのショッピングモール行こうよ」

「やだ。行かない」

 おいたんは元気無くそう言った。いつもなら乗って来るのに、ノリが悪い。それもそうか、ショックだもんな、色々。

 仕方なくまっすぐ家に帰った。

 おいたんは、終始暗い。帰宅しても暗い。

「明日釣りに行こうよ」

「やだ。行かない」

 釣りにすら行かないだなんてもうこれは鬱状態だ。

 とりあえずその日は引き下がったが、翌日、おいたんの鬱状態は悪化しているように見えた。だから、おいたんを無理やり家から出そうと思った。

「釣り行こうぜ~。無雲ちゃん釣りしたいなぁ。だからお願い聞いて♡」

 おいたんは、渋々了承して釣りに行くことになった。

 江戸川は、いつもの通り穏やかだった。そして、おいたんと無雲はポイントを3か所移動しながらまったりと釣りをした。おいたんも楽しそうだった。気晴らしになったなら良かったよ、おいたん。

 おいたんは、ちょっと元気を取り戻したようだった。

 ゲームをする気力も戻ってきたようだ。でも、多分心中はまだ沈んでいるのだと思う。

 次回は、おいたんが『障害者』として就職活動をスタートした話です。

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