【連載エッセイ】夫は仕事ができません!【Vol.024『無雲、立て替えたお金の回収に奔走する』】

夫は仕事ができません!
Gerd AltmannによるPixabayからの画像

 おいたんが食肉加工工場(以下お肉屋さん)で勤務を開始した日、前職の本部から『退職証明書』と『社会保険資格喪失証明書』が届きました。

 その日、レコーディングで疲れていた無雲は午後の半ばから市役所に行く気力は無く、翌日火曜日に市役所に行く事にしました。

 I市の市役所は最寄り駅の近くではなく、隣駅でF市寄り。まずそこまで電チャリで爆走しました。

 保険証を発行してもらい、自立支援を書き換えてもらったら、さぁ、逆方向M市寄りの病院と薬局へGO!! です!!

 ただ、ひたすら無心で電チャリを漕ぐ。

 天気は晴れ。風が気持ちいいが、段々腹が立ってきた。

「何故、私はこんなに何度も何度も市役所や病院に行かねばならぬのだ」

 そして思い立ちました。

「せや、おいたんの口座からちょっと手間賃貰ったろ」

 ふふふっ。とほくそ笑みながら電チャリで爆走する事数十分。やっとM市寄りの病院に到着。電チャリでもけっこうハードな距離でございました。

 そこで、手続きでまたされる事数十分。

 病院で立て替えたお金は数千円だったので、まぁここはいい。問題は薬局です。6万円ちょい立て替えています。

 病院での手続きを終え、近くにある薬局にまたも爆走した無雲。そこで還付処理をしてもらっていると、薬局事務員の人が「万札が無い……」とレジとレジの間を小走りで駆け抜けていきました。すいません、ほんとに……。

 ここでも無事に還付の手続きは終わりました。ありがとう、マ〇キヨ!!!

 ホッとしたのもつかの間、この大金を無雲の口座に戻さねば。その前においたんの口座からちょっとお金貰ったろ!! と、銀行に行き生活費と共に手間賃をおろしました。

 5000円貰っといたわ(笑)。

 そして、ゆうちょに行って大金を口座に戻してホッとして、行きつけのタバコ屋さんでコーヒーとタバコを一服して帰路です。

 あぁ、疲れた……。

 帰宅すると、すぐに無雲がご飯を食べられるようにと母がお弁当を買ってきてくれていました。「あいつ疲れて帰って来るだろうから甘いものも買っておけ」という父の助言でどら焼き付きでした。

 ほんと、両親には頭が上がらないですよ。

 して、無事に還付手続きが終わった事を帰宅したおいたんに話しました。ついでに、手間賃として5000円貰った事も話しました。すると……

「そんなに取ったの!?」

「だって、段々腹が立ってきてさ」

「俺だって好きでしょっちゅう転職してるわけじゃ……むにゃむにゃ」

 と、おいたんはしどろもどろでした。

 だってさ、数週間後には今度は社保が来るから、それでまた市役所行かなきゃいけないんだよ、おいたん。あなたは仕事で行けないだろうし、役所手続きがそもそも苦手でしょう。

 手間賃5000円は安すぎるくらいだよ?(ニッコリ)

 というわけで、立て替えていたお金も戻り、国保も手に入り、けっこうホッとした無雲でした。

 今の所おいたんはお肉屋さんで平和に働いています。だから、このエッセイもしばらく不定期連載にする事にします。

 どうか、おいたんがネタを持って帰ってきませんように。平和な時が続きますように!!

 と、上記の様に書いて保存した数時間後の夕方、おいたんから一本の電話が入りました。

「無雲、すまねぇ」

 !!??

 まさか、この展開は、まさかのまさか!!??

 このおいたんの電話によって、事態は波乱の様相を呈してきたのです。『不定期連載にする』と宣言したのは撤回です。しばらく月・水・金で連載を続けます。

 おいたん、頼むよ。無雲に心の平安をくれよ……。

 おいたんのお肉屋さん編、まさかの展開は次回月曜日に!!

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